熊本県 八代市 泉町(旧泉村) 五家荘
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雑文録

2026.08.28

T氏の残り火で紹介した、写真展を菊池市の喫茶画廊チムチムに見学に行った。

初日は8月18日火曜日だったけど、仕事の都合で19日水曜日に出かけた。7月末から体調悪化して自宅で療養中と連絡があり、気になったが敢えて連絡もせずに19日に出かける事にした。T氏は不在だった。受付している人に尋ねるにT氏はなんとか18日にやってきて、相当弱った体で、壁にパネルをセッティングし、食事もスープしか飲めずに市内に帰って行ったとのことだった。まだ、残り火の残り火が燃えているのだ。展示された写真の内容は菊池渓谷の樹々を映した写真で、会場の広さの関係か、展示数を増やすためにトリミングしたものが多く、渓谷全体を映したものは少なかった。写真のプリント、パネルの製造も自作なので体調が悪い中、よくここまでやり遂げたのだと感心した。お祝いの小さな蘭の花を預けて、喫茶店で朝食を摂り菊池渓谷に向かった。

家から3時間近くかけて久しぶりにやってきた菊池渓谷。相変わらず観光客は多かったが、残された時間が少ないので、順路を逆に、川の東側の広くてまっすぐな道を北上し、折り返し点の広河原まで向かった。通常の順路は川の西に沿う小道をたどりながら、途中で各々の滝を見ながら広河原に向かうのだ。滝の表情は様々で、その滝ごとにシャッターを押していたら何時間もかかるし、どうしても写真の中に観光客の姿が入る。今回は広河原の上流の写真を撮るのを目標にした。へそ曲がりな性格だから、人の行かないところに行きたがる。で、広河原の上流を遡ると、広い岩盤の川が続き、特に自分の琴線に触れる景色もなく、惰性でシャッターを押した。悲しいかな山野草とも出会うことはなかった。

 

 

へとへとになり広河原に戻る。文字通り菊池渓谷の終点、広河原。若者が楽しく、河原で弁当を広げたり、冷たい水に足を浸して遊んでいる。何ともうらやましい景色なのだ。僕の記憶にそんな幸せの時があったのか?70近くの歳になっても未練がましい。

ひねくれものの末路がこれだ。長靴履いて汗をかいて、暑さにあえぎ、なんの1枚も撮れない。Tさんはどんな思いで、カメラを構えていただろう?

景色をどんなに綺麗に撮れたとしても、綺麗に撮れたにすぎぬ。
また、脳裏にひねくれた写真論が浮かび上がる。

ふと、横を向くと巨石に、誰が積んだのか河原の小石が2個積んである。
小石が巨石の頂上を目指して頑張って登っているのか、落ちかけているのか。敢えて、そんな意味を考える必要はない。

 

 

小石はただ、そこに居るのだろう。息を切らして。

(写真は菊池渓谷 広河原)

T氏の残り火

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