熊本県 八代市 泉町(旧泉村) 五家荘
メニュー
雑文録

2021.02.25

山行

前回の雑文録の通り、Oさんの「森の妖精ば見に行かんですか?」と言う誘いにまんまと乗り森の妖女・妖婆と一緒に白崩平に福寿草を見に行き、楽しい登山を楽しんだ僕だが、残念ながらその日は森の妖精と出会うことは出来なかった。

森の妖精とは「セリバオウレン」のことであり、おそらくここ2週間が開花時期で、次回、五家荘で会うためには1年待たなければならない。妖精との出会いのチャンスはそんなはかないものなのだ。(さらに日頃の品行方正が必須条件…) だから、どうしても会いたいと思ったら、会いたいもので、ちょうど翌週、2月21日 (日曜) に別件で五家荘に行く用事が出来、これ幸いと、その用件とは全然違うルート、久連子を経由してぐぃーんと、はるか遠回りして要件を済ました。(品行方正ではなかった… ) つまり、その日も森の妖精とは会うことが出来なかった。

そうしているうちにOさん、Mさんのフェイスブックには、セリバオウレンの写真がアップされているではないか。これはいいかん、たまらない、どうしても今、会いに行かねば妖精は消える…

そして23日の朝、幸運にも仕事は休み (日頃からほとんどしていない…周りから、霞でも食っているのではないか?と疑われている自分だが) 一念発起して海の見える自宅から愛車パジェロミニを揺り動かし、五家荘に向かったのだった。妖精をOさん、Mさん、おじさんだけのものにしたらいかんのだ。

そうして林道のわきを長い間、カメラバックを背負い、うろつく一人の妖しいオヤジに変身した僕の目の前にも妖精は顔を出してくれたのだ。なんとやさしいことよ。

 

 

花の大きさは1センチにも満たない。その小さなゆりかごの中に妖精は棲む。

セリバオウレンはキンポウゲ科の花で、花言葉は、変身、揺れる心。

セリの花言葉は、貧しくても高潔、清廉で高潔、清廉潔白。

そんな花言葉に恐れることなくカメラを構えるに、手が震えピントが合わない…

しかもかすかに吹く風にも森の妖精のゆりかご、白い花弁は揺れるのだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

今日 (2月25日) は年に一度の脳のMRIの検査の日だった。3年前、脳の動脈に挟まれたチタン製の3個のクリップがパソコンのモニターに鮮明に映し出される。いつもの若い先生が言うには問題はないとの事で安心した。

先生に「これまで1年に2回ほど、額の傷跡が小さな餃子大に膨らむのが不安なんですが…」と相談する。先生曰く、「興奮して髄液が漏れているかもしれませんね…」「しかしすぐに引っ込む程度なら安静にして様子を見ておいてください」「はい…」「しかし、その膨らみが破裂するようなことがあればすぐに連絡くださいね」「この (餃子が!) 膨らみが破裂するんですか?」「小さな傷から破裂することもあります…めったにないですが…その時はすぐに連絡をしてくださいね」「も、もちろんですとも、そんな時は一大事!頭の餃子が破裂したら、そりゃあもう!」

森の妖精にのぼせ上り、連続して五家荘に…最後は一人、片道3時間の林道を休みなしで爆走!したとは、言えなかった。

そうして、右の額の餃子の膨らみを、そっと指先で確認する自分だった。

レンズの向こうに

森の妖精、妖女、妖女つかい。

分類
新着順
過去記事一覧
  1. ホーム
  2. 雑文録
  3. 久連子の小さな春