熊本県 八代市 泉町(旧泉村) 五家荘
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雑文録

2018.07.03

山行

先月、ある会合で昔からの知人、「出口」さんと会った。出口さんは或る有名大企業の管理部長、いつもは温厚誠実、明るい性格の出口部長、何故か少し暗い顔をしている。話を聞くに、氏は、典型的な管理職でリストラ担当役でもある。仕事では上部からの人格攻撃と部下の世話が大変とのこと。悩み、ストレスも相当溜まっているようなのだ。会合の席で、二人で延々2時間、お互いの過去、将来のことを語りつくし、僕のような、軽薄、能天気(!)でフリーの立場の人間とは話がしやすいらしく、会合の終わりには出口部長から笑いが飛び出し、最後に一言、そんな出口部長から最近の「ストレス改善方法」を伝達されたのだ。

瞑想と聞くと、誰しも何やら怪しい教えか、団体の勧誘かと疑われるのかもしれないが(昔僕はよく勧誘された。京都の河原町の行き帰りの人ごみの中で、同じ宗教団体の者に2回も声をかけられた・・・そうとう悩みが深そうだったらしい)出口氏曰く、そういう輩とは一切関係ありません!過去にNHKの番組でも取り上げられていた内容なのですよ。

その方法は、海外の著名人、グーグルなどのIT企業も採用し書物も多々あり、高い評価を得ているとのこと。その瞑想法はマインドフルネス瞑想法といい、3分間の瞑想で、体を前後左右に動かし中心点をさぐり背筋を伸ばし、大きく鼻で息を吸い、吐く、誰しも簡単な瞑想法でもある。もちろん、瞑想とは名ばかりで心に湧きだす雑念どもがいる。その対処法がラベリングといい瞑想中の心の中で暴れまくるる雑念にラベルを張り、随時処理していくのだ。仕事のことが気になったら「雑念」とラベリング、音が気になったら「音」とラベリング、過去の後悔は「過去」!とラベリング。(もちろんラベル名は任意)

そして、心の中に川の流れを想像しその川に、ラベリングした雑念を木の葉の船に乗せて流し去ることをイメージトレーニングしていくのだ。つまり、くよくよ悩んでも仕方のないことを頭の中で整理して、頭の中の空間をすっきりさせるわけ。それでもダメならストップ!思考で頭がいっぱいでラベリングが間に合わない場合は心の中で「ストップ!」と叫んで、頭の中を空っぽにする。いわば、その瞑想法は脳の筋肉トレーニング。心を落ち着かせ今、自分がここにいることを雑念に負けず、受け入れるようになること。なるがまま、頭と心のスイッチをオフにすること。

正直、僕の心の中は悔恨だらけだ。瞑想するに、幼稚園の時の悔恨が思い出される、それから中学、高校・・・。みなさんゴメンナサイ!失敗だらけの僕の人生、瞑想すればするほど、悔恨の念が僕をどんどん追い込んでいく!何一つ、いいことはなかった僕の人生58年!ラベルが追い付かないぞ!「悔、悔、悔!」更に人の成功を妬む、うらやむ雑念が湧く、「嫉妬、嫉妬、シッ!」負けだらけの人生「敗、敗、敗!」ラベリングした雑念で木の葉の船が沈没寸前だ。流す川も梅雨の濁流となり堤防決壊寸前!出口さん、出口はどこだ!その雑念に耐えること1週間。瞑想法の結果・・・悪戦苦闘の日々・・・何か心に、少し、スキマが出来て何か余裕が出てきたような気が。

テレビのワイドショーを見て不快不安な思いが伝染しても悪口言わずに「雑念」ポイ!と処理。本によれば、そう簡単に雑念はなくならないらしい。本当の瞑想法が会得できれば、自分の吐く息、吸う息を体で感じることができて、自己の存在を心の中で客観的に望むことができるようになるらしい。(僕には何年かかるかは不明)

で、先日の日曜日に、雨の中、五家荘の白鳥山に行く。両手両足がこわばるが、何とかウエノウチ谷から、白鳥山の谷からの山道は登ることが出きる。ただバランスがなかなかとれない。白鳥山へのルートは五家荘の中でも、指折りの美しい谷だ。頂上までは行けずに、写真を撮りながら途中で引き返す。ぽたぽたと葉を打つ雨の音がする。苔むす岩を増水した水が噴き出す。少し雨が止むと、頭上で鳥たちのさえずる声がする。この森には僕しか居ない。濡れた岩に腰かけ弁当を食べる。お目当ての花たちには出会えなかったが、今度また来るときは、ごちそうと、美味しいコーヒーを持参し、谷の水でお湯を沸かし、目を瞑り、樹々から湧き上がる生まれたての空気を吸い込もうと思う。何とかお気に入りの写真が一枚撮れた。写真のタイトルは「瞑想の森」にしようと思う。

愛の家族

撮影再開す。(苦笑)

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