熊本県 八代市 泉町(旧泉村) 五家荘
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雑文録

2022.05.17

山行

今年の5月の連休は晴天続きで登山日和が続いた。山に登らず、林道をぶらぶら歩く、いいとことりの「山歩き」の僕だが、五家荘の春にどうしても登ってみたい山があった。それは烏帽子岳(1692m)だ。過去に登った時は時季外れで、山頂のシャクナゲの景色を見る事はなかった。赤やピンクの満開のシャクナゲに埋もれる烏帽子岳の景色がまぶたに浮かぶ。残念ながらそれはあくまでも想像の景色で、山頂のシャクナゲの群生が同時に満開になることはないらしい。烏帽子岳への山道は急な坂はないものの、歩く距離が長く、峰越から片道約3時間。そもそも海抜ゼロメートルの自宅から峠まで車での走行時間が3時間。家を出てから昼に頂上に着くには朝6時に出なければならない。

と、いう事で5月5日に僕は一人で朝6時に家を出た。しかしすでに夜明け、海岸の釣り人達はすでに満員、押すな押すな、隣人との距離2メートルでひたすら撒き餌を放っていた。(朝まずめ、夜まずめ。釣りのタイミングを逃したら取り戻せない) 釣り人の方が僕より根性がある。

予定通り峰越に9時に到着。そこから登山開始。よぼよぼ登山で尾根道を歩き頂上を目指す。風の通り道の関係もあるのか、反対側の白鳥山への尾根道よりブナの大木が両手を広げている姿がいくつも見る事ができる。新しい葉の緑も濃くなり、頭上でウグイスやらフクロウやらの声が鳴り響く。よぼよぼ…鳥たちも「変な奴が来たぞ~」と警戒しているのか、鳴きながら僕の足取りに付きまとう。

2時間経過。悔しきかな、頂上までの少し低い鞍部で燃料切れ…長い休憩…目先の長い、長い真っすぐな道よ。まだこの道が続くのか。頭が空白になる。立ち上がろうにも、バイケイソウの緑の葉が一気に道をふさぐ。

いかんいかん、深呼吸。かすかなめまい。鼻呼吸が大事だぞ。口呼吸とのバランスがくずれると筋肉が硬直すると、ある資料で読んだのだ。行きあたりばったり登山では、ゆっくり呼吸を整え歩くのが大事なのだ。体のバッテリーの容量が切れかけている。更に休憩。ようやく体を起こし、半分はいつくばりながら最後の坂道を登り烏帽子岳頂上に着く。

あちこちの茂みでは白やピンクの花が満開だ。はなびらはまるで、マシュマロのように柔らかい。長細く丸みを帯びた葉には虫食いの後がある。下界のお上品なツツジの花とは違い、山の花は素朴で力強いのだ。何とも言えない生気が漂う。蜂たちのぶんぶんいう羽音。

春の青空の下での真昼。山頂から見渡す五家荘の緑の山々全体が春の陽気に包まれている。おにぎり2個が昼ごはん。シャクナゲの迷路をさまよい写真を数枚撮り帰路に就く。これで念願の烏帽子岳にも登れて満足だ。ブナの大木、大きな日影と涼しい風をありがとう。帰りの林道の奥、川沿いの民家に大きなこいのぼりが泳いでいた。

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2日後の5月10日は2か月に1回の定期健診だった。40項目の血液検査と薬をもらいに行く。

待合室に看護婦さんが飛んできて話かける。「最近何かしました?」「えっ?何も」「激しい運動とか?何かしたでしょう?」「いゃ、そもそもスポーツは嫌いなので」「数値がはねがってます」「ここ数年、ジュースにコーラ、みかんにようかん、いっさい食べてないです。(チョコはこっそり食べているけど)」「いや血糖値の話ではなくCKの数値が跳ね上がっているのです」

血液検査でCKという数値が通常の値の3倍、つまり平均100の数値が300に跳ね上がっていたのだ。CKとは激しい運動などで筋肉が大きなダメージを受けた時に発生する数値の事らしい。まぁ、烏帽子岳の登山の影響でその数が3倍。安静にしておれば回復するらしい。

先生曰く「過去に運動会の綱引きに参加した患者さんの数値が3000というとんでもない数値になりましたが…まぁ、時には気分転換、ぼちぼち行きましょうねー」何もせずに数値が跳ね上がる時は要検査らしい。

ところがここ数年悩んでいた血糖値は下がり、ぎりぎり正常値に回復…(ヘモグロビンA1cは下がらず)…たまには栄養補給と病院の近くのラーメン屋(これまでの人生の中で2番目くらいに旨い)で味噌ラーメンの麺大盛りを注文した。(ラーメンは1年に2回くらいしか食べない)

…糖分…いゃ当分、山は控えめにして、気になる棚田めぐりを始めよう。

 

釣り談義、ひとり言。

1日早い、山開き。

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