2020.01.05
人
2019年12月30日で60歳になった。還暦と言われる年だ。
僕は生まれてこのかた、誕生日とか一切嬉しくも悲しくもない。よく人様から「誕生日おめでとう」とか「生まれてきて良かったじゃん」と言われても、無関心無感動。だからフェイスブックとかで、お祝いのメッセージとか書かれてもとても困るので、非公開にしている。(そもそもフエイスブックは仕事の連絡用)しかし、よくも60年も生きてこれたのは「極私的には」良かったと思う。
2019年の病院歴。
脳の造影剤入りMRI(脳の血管の定期検診・問題なし)1回。脳のCTスキャン2回(髄液の漏れ、問題なし)大腸がんの疑いで内視鏡検査2回(大きなポリープ取る)これでうまく逃げおおせたかと油断したら12月に異常発覚!
左肩の奥に、筋が引っ張ったような痛みあり。五十肩かと思い、事務所近くの整形外科でレントゲン撮るに原因不明、更に肩のMRI撮る。なんと左肩の腱板断裂との診断。腱板断裂とは言葉そのもの、左肩を支える腱板が断裂して、切れた筋の端が尖って筋肉に疼痛を与えているらしい。
先生曰く、リハビリ2か月、手術入院2か月、その後のリハビリに2か月。(合計半年ではないか!)切れた筋は自然につながることはなく、内視鏡を見ながら筋をつなぐ必要がある。(なんだか手術をしたくてしたくて、たまらないらしいぞ…)そんなこと言ったって、今でも通勤2時間かけて、人の数より猫の数が多い田舎住まいの我が家から通勤しているのに。第一「猫の世話は誰が見る!」…と言うことで、知人の勧める他の整形外科にセカンドオピニオンに行き、週に1回、リハビリに通うことにした。(自転車、片手運転で!)
左肩をそのままにしておくとどうなるか?先生曰く「筋が自然につながることはなく、そのまま痛いだけ」とのこと。夜も眠れないほどの疼痛が続くわけでなし、結論として腱板断裂は当分放置することにした。
ただ、重いものは持てないのと、痛みを緩和するために、首から下げる三角巾のようなものをアマゾンで買って下げることにした。原因は不明だが、60年も左肩を使っていれば、どこか悪くなったのだろう。
ただ、一番残念なのはリュックが背負えない体になったということ。これまでのように五家荘の山にも写真撮りに行けなくなったのだ。もともと、くも膜下後から、急坂は酸欠で登れなくなったのだが、腱板断裂で更に登山は厳しくなった。
そんなこと言っておれば、山どころか、どこにも行けないので、次回からは腰に回すバックにカメラとレンズを忍ばせ、頑張って行ける場所に行けばいいのだと思う。
誕生日に無関心、無感動…といいながら今度ばかりは家人に誕生プレゼントに目覚まし時計をねだり、ホームセンターで買って来てもらった。もともと年末に机回りを掃除していて、高校時代に買った目覚まし時計が出てきたのだ。その時計をバックに詰めて18歳の僕は京都行の夜行に乗った。それから40年以上。何故か、その時計が引き出しの奥に転がっていた。電池を変えたがもう時は刻まなかった。ただ、目覚ましのベルはいつも通り、リンリンと鳴り響いた。
と、いうことで僕の還暦記念の品は新しい目覚まし時計。12月30日から時を刻む。
山の春まであと、3か月。以前、栴檀轟の滝の桜の写真を撮ろうと、下の遊歩道から舗装された林道を歩いたのだが、五家荘の高地にも林道のあちこちに、スミレや菜の花が咲いていて、むんとする春の陽気に汗をかいて、カメラとレンズを詰め込み、三脚を付けたバックの重さに、僕ははぁはぁ、息を切らした。汗を道にぽたぽた落とし、菜の花の群生を前に、花そのものは嫌いではないが、折角、山まできたのだから、どこにでも咲いている菜の花の写真を撮ることはないと思った。(僕の図鑑に欠けているのはそんな写真なのだ。)
今度はレンズ2個、軽量化作戦にしよう!あと何回やってくるか分からない山の春が、今からもう待ち遠しい。