熊本県 八代市 泉町(旧泉村) 五家荘
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雑文録

2018.09.13

コロンブスの卵あり。あれこれいろいろ考えるより、素直に考えた時がよい時もある。「なぁんだそんな事か。それなら誰でも思いつくではないか。」そんな卵を見て、どこかで見たアイデァと言うのは易しい。そこで買ってきたのが佐賀のあるお店のコロンブスの卵なのだ。今夏は仕事でいろいろなアロマ(精油)と熊本特産の馬油を使った、モノづくりをした。(中国、台湾の人に人気)

そのアイデァもコロンブスの卵で、人に言わせれば「誰でも思いつくアイデァ」なのだけど。その作業中に、たまたま「ヒノキ」の精油を嗅ぐ事があって、その香りは、なんとも言えぬよい香りで緊張がほぐされ、気分がいやされるのだ。その精油の原料のヒノキは国産だけど、どこの山が産地なのかが分からない。ちょうどその時、五家荘の山の達人、Oさんのフェイスブックを見ていて、Oさんが登山中に、トトロや木霊の人形を森の中の苔の中に置いて写真を撮っているものがあった。そこで僕の壊れかけた頭の中に、ひらめいたのが、五家荘のヒノキや杉で精油が作れないものかというヒントだったのだ。

早速ネットで調べるに、熊本県内でも木材から精油を抽出しているところが2件あって、問い合わせをしたが、2件とも無理との答えだった。それでもしつこく検索するに、一番近いところで佐賀に「エコビト」さんと言う店があり、メールで質問したが丁寧に教えてくれて、近々店舗でアロマの抽出体験をするので来ませんかとのことだった。

僕はなんで飯を食っているのか自分でもわからない時があるのだが、そんなフリーの立場の僕は、早速申し込みをし、台風の中、高速を通り、愛車イグニス号とともに強風にあえぎながら3時間かけてエコビトさんにたどり着いたのだった。アロマ体験の素材は、ホウショウという、クスノキの仲間で、甘く芳醇な 香りが特徴の貴重な原料だった。鼻に頭まですーっと刺すような刺激臭が残る。幸運なことに若い女性の講師の人と二人の体験で、とても丁寧に教えてもらい、1時間かけて自分オリジナルのホウショウのオイル1ミリ(わずか!)を手にした。装置は一番シンプルで単純な装置だった。体験後、店舗の裏の工場も見学してくれて、なんとその店舗の親会社は大きな材木店だった。昼食は僕の柄になく、上品な自然食のランチ。(僕のような者が、隣のテーブルのカップルに怪しまれないようにするには緊張と努力が要る)。そこでお土産に買った一部がこの卵だった。下に精油を入れる穴があり、今もホウショウの香りを楽しむことが出来る。

エコビトさんのコンセプトは明確でとても分かりやすい。材木から出た材料を精油にして、自然食レストラン、ケーキ店、会社全体の事業が大きな自然のサイクルになっている仕組みなのだ。このアイデァを誰かが持ち帰り、五家荘でも真似しようと思ってもその卵は道の駅で売られる単なるお土産品で終わるだろう。何の価値もない。お土産品は飽きられたら単なるゴミだ。この卵を前にじっと考えなくては。五家荘の森に産み落とされた卵で、どこにもない、美味しい料理をどう作るのか。

間違ってもアイデァの卵をあの「クマ」に渡したらいけない。熊本の単純な県民性にわをかけて思考停止にしたのがあの「クマ」のゆるキャラだ(※くまモンのこと)。僕はそのキャラの害獣ぶりとその飼い主を登場時から激しく憎んだ。家人がそこまで言わなくても!と諭すのだけど。ここだけの話。(瞑想をはじめてから、憎むのを辞めた)
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五家荘図鑑、写真集に。

ぼんさん峠

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