熊本県 八代市 泉町(旧泉村) 五家荘
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雑文録

2018.08.12

山行

8月11日は山の日で、五家荘の先人O氏とM氏は昨年同様、山の日記念、登山のイベントを企画された。両氏の情報発信力はものすごく、フェイスブックなどであっという間に約30人近い山好きが五家荘に集合した。車のナンバーを見るに、熊本はもちろん鹿児島、宮崎、久留米の山好きが遠路はるばる集まったのだ。2人が立派なのは五家荘の宿に宿泊して登山するように企画されること。マイクロバスでやってきて、トイレだけ借りて、地元に何も落とさないのは何かよそよそしい。毎夜繰り広げられる大宴会の様子が一人一人の旅の思い出になるのだ。宿泊しない僕でも、五家荘に来たら、必ず帰りは二本杉の東山(とうやま)本店でふきの佃煮やら、フキのみそ漬け、山椒のオリーブオイル漬けを土産に買うようにしている。

で、何とか家の用事をすまし、2日目の山行き参加させてもらった。Oさんは地元の消防署の司令塔でもあり、日頃は五家荘の山の遭難事故の受付窓口のような役割を果たされ、遭難歴(苦笑)のある僕の山行きに、いつも反対する家人も猫も、今回ばかりは同意をせざえを得ない。もちろん問題なのは僕の体調だ。こんな怠け者の自分でも、よなよな瞑想で日頃の雑念を払い、毎朝、おこしき海岸の公園で(店員に怪しまれながらも)20分のウォーキングを行い、体力を鍛えて来たのだ。それでも万が一、途中でおかしくなったら、登山隊の行軍を邪魔しないよう、一人、自力で帰れるように特別に登山口に愛車イグニスを置かせてもらった。

久しぶりの白鳥山、ウエノウチ谷からの出発だ。やはり来てよかったなぁと、人目はばからず深呼吸をする。林道のわきにはわれらを歓迎してくれるように「ソバナ」の群生だ。星形の白い花、紫の花が下に垂れて風に揺れ可憐で美しい。僕は登山隊の最後尾に着く。最初の休憩まで、もくもくと川沿いの道を登る我ら山の旅団。あたり一面、白鳥山ならではの苔の世界が広がる。で、新ルートに入り、いきなり急坂に道が変わる。しばらくすると、どうも体の調子が悪い。体は動こうとしても、息が苦しく、どうにも、前に進まない。深呼吸しても、息がいっぱいで、体がどんどん重く動かなくなる。酸欠・・・。これでは頑張りようがないではないか。どう見ても先はない。新ルートを登り始めて数分。あっという間に、ギブアップ。Oさんの了解を得て、一人、引き返す。なんだか学校の遠足にはぐれ、自由行動になった気楽さもあるが。川沿いで写真をとろうとしたら、ツリフネソウの花の葉の上に、カゲロウだかなんだかの幼虫が羽を休めていた。カゲロウ君は「おっちゃん、またおいで(なんで関西弁か?)」と失意の僕を慰めてくれているようだった。

 

林道に出るとナナフシダカヒトフシだか「おっちゃん、がんばりや」といい、

 

ソバナを見ると蝶だと思うが「おっちゃん、元気でな」と言ってくれてるようで、日ごろはなかなか出会わない、山の生き物に会えて少し嬉しい帰路になった。

白鳥山はいつ来てもいい。次回からは酸素ボンベ必携か。こんな美しい、きれいな空気の中で。

 

ぼんさん峠

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