熊本県 八代市 泉町(旧泉村) 五家荘
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雑文録

2018.06.24

山行

いよいよ登山シーズン到来。五家荘の山の達人、Oさん、Mさんのフェイスブックの情報によると、このお二人、毎週のように山に登っている。五家荘にとどまらず、祖母山、九重山、九州のめぼしい山を総なめにする勢いだ。そしてこの二人を渦の中心にして集まる、おじさん、おばさん、(中には70を過ぎたおばあさんも!)のエネルギーもすごいものだ。あまり人が登らない五家荘の山もこのグループが歩くことにより、道が踏みしめられているのかもしれない。僕と言えば、まだ急な坂を長時間登るのは困難なので、ぼちぼち行くしかない。

と、いうことで、梅雨の晴れ間をぬい、五家荘の山に写真を撮りに行った。

レンズも家人には内緒で2本買い、その映り具合も確認したかったのだ。僕の写真は自己流で、撮り方もいい加減だ。毎回失敗した後に後悔する。誰にも教わったこともないし、教えることもない。今回も失敗の連続だった。(冷汗)川や滝の流れを白くぼわーっと美しく撮るにはレンズにNDフィルターは必携と本に書いてあった。とにかくNDフィルターをつければ僕もぼわーっと撮れるはずなのだ。早速、わけがわからないままにアマゾンでそのNDフィルターを数枚買った。栴檀轟の滝、梅の木轟の滝・・・ところが何回撮ってもぼわーっとならないのだ。さてと、川の中で一人、試案にくれる僕。みんな、真っ黒・・・本来ならば、ぼわーっとした水の流れの横に苔むした色鮮やかな新緑が映えるはずなのに!後で考えるに、五家荘の川自体、そもそも樹々に覆われ暗いのでNDフィルターは不要。普通のレンズでぼわっーっとならない場合にだけ、NDフィルターをつければよし。そんなことも知らぬまま、自宅から3時間の川の中までそわそわとカメラを抱えてやってきたのだ。写真の楽しみはそんなところにあると、今になって自分を慰めるしかない。

今回買ったのは、そのフィルターと中古の標準レンズ1本。これは正解だった。川から上がり、史跡の緒方家の写真を撮る時に、正門の苔むした石垣を登り、石垣の間に見つけた人字草(ジンジソウ)※ユキノシタ。これが今回の自分のお気に入りの一枚。

人字草の不思議なデザインも大好きなのはもちろん、更に、写真好きの変態的な快感として右の白く丸いボケ具合が何度見てもいいのである。さすが、ニコン、中古でもレンズはよい。(これからレンズが増え、さらにリュックは重くなったが!)時代にぽつんと取り残された緒方家。

地区を治めた庄屋の藁ぶきの家屋。たくさんの人が行き来したであろう縁側の上、緑に覆われた庭の景色を眺めながら、冷えたラムネでも飲みたいものだ。まだ、セミの声も聞こえない、無音の空間。この村の記憶は、家屋を取り囲む緑の闇に吸い込まれて行ったに違いない。誰が積んだか、静かにほぐれゆく石垣。そんな空間を映し出すフィルターはどこにも売ってないから、自分の記憶のフィルターに収めるしかないのだ。

 

瞑想の森

登山再開す。(苦笑)

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