熊本県 八代市 泉町(旧泉村) 五家荘
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雑文録

2017.05.19

山行

ずっと気になっていた山間の役場に営業に行く・・・のだが、何故か車の後部座席にはカメラ一式と、登山靴が積み込んである。こんな営業なんてどこ探したって僕しかいない。結局は商談どころか、適当な挨拶、雑談で終わり、それ以上話は進まない。それでも気が付くと昼前まで時間がかかってしまった。あせりながら車で登山口に向かう。林道ではあちこちで鳥たちの声が響いている。春、真っ盛り。若葉の瑞々しい緑色が春のそよ風に揺れ、あたり一帯、花の密の甘い香りが漂う。足場の悪い、岩が転がる道をふらつきながらもボチボチ登り始める。

早速汗が吹き出し、足を止めふと空を見上げると、まるで新緑の若葉が頭上で渦巻いているように見えて、かすかにめまいを感じた。すでに午後2時を過ぎ、頂上まで向かうには時間が足らないので途中まで登って下界に引き帰すことにした。そもそもの目的は春の野草の写真撮影であり、無理をして山頂まで行くと市内の事務所まで帰り着くのは夜だ。

そうして、空を見上げたあと、視線は地面へ。今度はあちこちで咲き誇る小さな花たちの世界に、はいつくばってカメラを向ける。植物は自分で移動出来ないのだが、この枯れた大樹の幹と苔むした岩の間の小さな隙間にも、ちゃんとお花畑があり、どの花も生まれた場所で精いっぱい花を咲かせていて、僕の心を和ませてくれた。雌の鹿と、タヌキに出会う。タヌキは最初僕の姿に気が付かず、何やらいそいそと(それこそ)ケモノ道を登っていたが、僕の気配を感じ振り向いた途端、ものすごい勢いで茂みの中に姿をくらました。

 

山の貴婦人

誰もいない、春。

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